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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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2010年 07月 18日 ( 1 )

第270回接近遭遇「彼氏に料理を教わる彼女」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜
★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

翌日の土曜日。
遊太郎と桃子は近所のホームセンターに行った。
桃子の世にも破壊的な料理で、
フライパンや片手鍋が使いものにならなくなった為だ。

桃子はいつになく上機嫌で物色し始めた。
何故なら、お互いスレ違い生活が続いていたし、
これからは遊太郎が桃子に調理を教えるという。
それは必然的に2人きりの時間が作られるという事で、
桃子は素直に嬉しかった。
もちろん調理器具を駄目にしたのは、
そんな下心があったからではなかったのだが。

「これなら、桃子さんでも使いやすいですね」

キッチンフロアで、遊太郎はシンプルで丈夫な片手鍋とフライパン、
菜箸やフライ返しなどを選んだ。
桃子が無邪気に口を挟む。

「ねえ、どうせなからペアでトレーとかそろえない?」
「桃子さんのだけでいいと思います」
「え、なんでよ?遊太郎のは?」
「僕はあまり食べないし、もったいないですよ」

遊太郎は無駄遣いはしないタイプだ。
どんぶり勘定の桃子とは対照的なので、もったいないと言われて彼女はちょっとむくれた。

確かに、遊太郎は作るだけで食事はあまりしない。
昼間はサラリーマンとして怪しまれないように、
外回り先で誰かと食べているようだが、
1日一回の食事だけで24時間フルで動けるものだろうか。
遊太郎の正体が地球人でないのはわかっていても、
桃子にはほんの少し不満だった。
お揃いの食器を2人で選び、毎日一緒に食事をしたかった。


マンションに帰り、
早速簡単なものから挑戦することになった桃子は豪語した。
「オムライスぐらいなら、あたしにだって出来るわよ」
しかし卵の割り方ひとつから基礎が出来ていなくて、
遊太郎にやんわり指摘された。
「桃子さん。卵は力まかせだと殻が中に入りやすいですよ」
「割ればいいんでしょ。割れば」

ガンガン割ろうとする桃子の腕を遊太郎が軽く掴んだ。
「素材は丁寧に扱うと、美味しく出来上がるんですよ」
「悪かったわね。耳に痛いんだけど?どうせ、あたしはガサツよ」
「じゃあ、ちょっと見ててくださいね」

そう言った遊太郎は、器用に片手で卵を割り始めた。
感心して真似したが、これはコツを掴むまでしばらく練習が必要だと痛感した。
彼は続いてキャベツの千切りを教えた。
桃子の切ったキャベツは厚さが1センチ近くあり、
とても千切りには程遠い。

「キャベツなんて添え物じゃん。
テキトーに切って並べりゃいいんじゃないの?」
面倒くさいと文句を言い出す桃子に、遊太郎は少し考えていたが、
スッと彼女の背後に回り、包丁を持つ手に自分のそれを添えた。
一瞬、桃子はドキッとした。

「感覚を覚えれば、桃子さんなら上手に出来ますよ」
遊太郎はさりげなくフォローをしながら、
一緒に包丁を動かしてくれた。
遊太郎の体温を全身に感じる。
桃子は黙って従いながら、
料理が上手な女性になりたいと思い始めた。
そうしたら、遊太郎は喜んでくれるかもしれないし、
もしかしたら、お嫁さんに……

ふと、桃子は戸惑った。
自分はいま何を考えていたのだろう。
思わず手の動きが止まって、遊太郎が驚いたように訊いた。

「疲れましたか?桃子さん」
「あ。ううん。大丈夫」

桃子はぎこちなく答え、再び一生懸命キャベツを切る練習に集中した。
最初と違っていくらか細かく切れていき、達成感が味わえた。

そうか。
あたし、やっぱり本音は遊太郎のお嫁さんになりたいんだ。
ずっと、ずっと一緒に暮らしたい。

遊太郎に調理を教えてもらう、穏やかな時間の中で、
桃子は遊太郎との結婚したいという想いが、
どんどん高まっていくのを感じていた。


〜第271回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-07-18 14:33