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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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2009年 08月 23日 ( 1 )

第194回接近遭遇「海ツアーは危険がいっぱい」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜
★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

その週末。
桃子たちは、営業一課の親睦会の名のもとに、
海へ一泊旅行で遊びに来ていた。
最も、喜んでいるのは男性社員達だけである。

「……意外に、なかなかですよねえ」

水着姿の女子社員を眺め、係長の高山がニヤニヤすると、
斉藤課長がたしなめた。
「妙な気を起こすなよ、高山」
「当たり前じゃないですか。こう見えてもオレは紳士ですよ。心外だなあ」
高山は心にもないことを口にして、
ビキニを着た桃子を目の端で捉えた。


一方、桃子や清美たちは心底げんなりしていた。
「ほんっと。何が悲しくて会社連中と海なんかって思わない?
絶対、オヤジたち、ウチらの水着狙いだよ。ねえ、桃子」
「そうかも」
桃子は苦笑しながら、チラッと遊太郎を見た。
男達はスイカ割りの準備をしていて、
下っ端の遊太郎は、重いスイカを運ぶ雑用に忙しそうだ。

桃子はふくれた。
せっかく新しい水着を着ているのに、
遊太郎は今朝から何も言ってくれないからだ。
「あっちでビーチバレーやるって。いこ、桃子」
清美に誘われ、桃子は砂浜を横切った。

そんな彼女を遊太郎はそっと目で追う。
初めて見る桃子の水着姿に、内心はかなり戸惑っていた。
目ざとく高山がからかった。
「森田。お前の相手はスクール水着の小学生だ。
お子様同士、似合いだぜ」
海水浴に来た家族連れを指さして笑い出す。

「にしても、海に来てまでワイシャツとズボンはねえだろ?」
呆れたように遊太郎を見る。
ネクタイこそ外しているものの、
ズボンの裾だけ少しまくった恰好で参加しているからだ。

「すみません。忘れてしまって……」
「泳げねえなら素直にそう言え。情けねえヤツ。
どうせ浴衣もねえんだろ?」
「浴衣?」
「今晩は近くの神社で花火や縁日もある。
少しはTPOってもんを考えて、浴衣くらい持って来いよ。
だから、お前はオンナにモテねえんだ」

高山はふんと鼻で笑って、サーフボードを小脇に、
悠々と海の中へ入って行った。
女性達に海の男をアピールするためだ。


にぎわう海辺の昼下がり。
スイカ割りのあと、遊太郎は先輩社員たちから、
ドリンクやかき氷の調達を頼まれた。
メモを片手に海の家へ向かう途中、何かの異変を感じて立ち止まる。

「?」

危険を知らせる波動が伝わって来た。
遊太郎はスキャニングするために意識を集中する。
センサーに補足されたのは、サーフィンを楽しんでいたはずの高山だった。
かなり沖合まで流され、大きな波に呑まれてゆく。

「高山係長……!」
この事は、遊太郎以外まだ誰も気づいていない。
彼は人目のつかない場所へ隠れ、迷うことなく瞬間移動をした。


陸から隔たった海原。
急激な高波に転覆し、持ち主を失ったサーフボードが浮かんでいた。
その位置から少し離れた海中に、頭から沈んでゆく高山の身体があった。
やがて、その身体がフワリと海の上へ押し上げられる。
遊太郎、いや、元の姿に戻ったレンが、
高山を助ける為に海中へ飛び込んだからだ。

レンは、ぐったりしている高山を抱え、一番近くの岸辺まで泳ぎ切り、
安全を確かめて砂浜に寝かせた。
すぐに彼の胸元に手を当て、エネルギーを注入する。
まもなく、高山の口から海水が吹きこぼれ、息が吹き返された。
高山がピクリと動き、覚醒の気配を見せる。
この男なら、自力で立ち上がることが出来るだろう。
レンは安堵し、正体を悟られないうちに、その場から離れた。


少し歩くと、
巨大な黒い岩がトンネルを形造る入江に出た。
レンは身を隠すように手頃な岩の上に腰を下ろし、
乱れた息を整え始めた。
全身が濡れたままだが、いまはうかつに動けない。
体力の回復を待たなければ、遊太郎の姿を取ることさえ難しいのだ。

その時。
聞き覚えのある女の声がした。

「ムダに体力を消耗するだけなのに、
あんな地球人を助けるなんて。優しいのね。レン」


〜第195回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2009-08-23 13:57