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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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第9回接近遭遇「異星人のホームステイ 決定?」

~あなたのとなりに宇宙人が暮らしていたら?~

ファミレスで人事部長の神崎に、
宇宙人・遊太郎をホームステイさせて欲しいと頼まれた桃子。
・・・さて、どうする?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「外国人と同じように異星人のホームスティとして考えて頂きたいのです」

神崎部長は桃子をポジティブ思考全開で説得し、次いでひらめいたようにつけ加えた。

「では、こうしたらどうでしょう?試験的にホームスティをするのは?」
「試験的に?」
「はい。ひと月のあいだ、様子を見て彼を置いていいか決めるのです
なるべくあなたの生活に干渉しないよう、あなたがルールを全て決めてください。
そうして彼は生保の営業マンをしながら、これまでどうり、
地球人の生活様式や文化、思考形態などを勉強し、私にリポートする。
どうです?素晴らしいアイディアだ♪」

勝手に盛り上がる神崎に、ずっと大人しくしていた遊太郎が口をはさむ。
「部長、勝手に決めないでください。桃子さんの気持ちも尊重した方が・・・」
「おお、そうだね、森田君。いかがですか?五十嵐桃子さん」

・・・いかがも何も、開き直るしなかいではないか。
彼女はもう逆らう気力がなくなってしまっていた。

銀河連盟だか異星人のホームスティだか知らないが、
ようするにやっぱり真っ赤な他人なわけで、同居を続行しろということだ。


夕食のお礼を言い、桃子は遊太郎と共にマンションへ帰った
そして大きな溜め息をついたあと、キリッと遊太郎を厳しく見て言い放った。

「まず、あたしの部屋にカギをかけるから、入ってこないように。
調査だか何だか知らないけど、他人に迷惑がかからない程度にやるのよ?
あと、こまかい同居のルールを決めて紙に書いて貼っておくから、
絶対に守るように。ひとつでも敗ったら追い出すからね!」
それだけを一息でまくし立てる。

「じゃあ・・・桃子さん。僕は居てもいいんですか?」
遊太郎のまんまるメガネの下で子犬のような瞳がキラキラしている。

「ひと月の試験同居よ!たぶん守れないと思うから、早目に新しい部屋を探しておくことね」
そう言い捨て、桃子はビールをつかんで自分の部屋にさっさと入ってしまった。

そのドアをしばらく見つめながら、遊太郎は静かにつぶやいた。
「ありがとう、桃子さん」

翌朝、桃子が出勤してみると部署のメンバーに好奇の視線を投げられた。
「?」
何なんだ?と思っていたら、ベテランの根岸主任がカツカツとヒールを響かせて近づいて来た。

「五十嵐さんと森田君、イトコなんですってね?」
「え・・・・・!」
桃子はギクリとした。・・・バ、バレてる?
するとフロアの隅から同僚の清美が手を合わしていた。

「ゴメン!桃子。みんなに二人の関係を色々聞かれてさ」
給湯室で清美は必死に謝った。
「喋っちゃったんだ・・・?」
「ホントにゴメン!でも、歓迎会で二人が仲良く出ていったら、誰だって気になるし・・・
でも一緒に住んでることは言ってないから!安心して」

もちろんバレるのも時間の問題だとは覚悟していたが・・・
「いいよ、もう別に。それよりもっと厄介な問題ができたし」
と、言いかけてはっと口をつぐむ。
・・・いけない、いけない。
真偽はともかく、人事部長までからんでる異星人問題はトップシークレットだ。

「なになに?遊太郎くんと何かあったの?桃子」
謝っていた気配もどこかへ飛んで、清美が楽しげに聞き出そうとするが、
仕事がらみの話だから、とごまかした。

「あ、そうだ。ねえ桃子、来週の社員旅行に何着ていくか決めた?」
「社員・・・旅行?」
突然、頭上から岩が降って来たような衝撃を覚えた。

色々あってすっかり忘れていたが、
営業一課は毎年、近場の温泉へ恒例の一泊旅行で行くことになっていたのだ。

「ま、まさか遊太郎・・・アイツも行くの?」
「そりゃあ、斉藤課長が行かせるんじゃない?
いいじゃん。泊まる部屋は男女別々だし」

・・・・・それが、大問題なのだ!

桃子は頭痛がして来た。
まだ異星人の件は完全に信じたわけではない。
しかし遊太郎はやっぱりどこか得体の知れないところがある。

アルコールを飲まされただけで、あんなに別人に変貌するのだ。
まして社員旅行ともなれば・・・

「宴会・・・するのかしら」
ふっとつぶやいた桃子に何も知らない清美が悪気もなく言いのけた。
「男性陣なんか毎年徹夜で騒いでんじゃん。それがどうかしたの?桃子」

・・・じょ、じょ~だんじゃないっつ~の!!

~さて新たな災難が待ち受けている第10回をお楽しみに♪(^O^)/~
by yu-kawahara115 | 2008-02-23 23:11
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