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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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第242回接近遭遇「告白デート?」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

その週末。
朝から桃子はワクワクしていた。
大倉健人から夕飯に誘われていたからだ。
もちろん単に美味しいものが食べたかっただけで、
健人が何故誘ったのかを気づけないでいた。

「遊太郎もいっしょに行かない?新しくオープンしたイタメシ屋」
無邪気に遊太郎も誘うが、
彼はキッチンに立ち、朝食を作りながら首を振った。

「今夜は仕事があって……すみません」
「まぁた仕事?金曜日だよ」
「すみません」
「ほら、いっつも、すみませんすみませんって。
なんで謝るのよ?」
「……」

どちらかというと口下手な遊太郎が戸惑っていると、
桃子はさすがに悪いと思って、口調を和らげた。
「ごめん。たまには息抜きしなよって言いたかったんだ。
あんたってさ、24時間、表と本業で仕事漬けじゃん」

かといって無理に来いとは言えない。
桃子はわかったと強引に話をまとめた。
「まあ、さ。今夜は大倉くんと行って来るけど。
次回は一緒に行こうよ」
「はい」

そう返事をしたが、仕事が入ってなくとも、
遊太郎は彼らの邪魔をするつもりはなかった。
大倉健人は、桃子に自分の気持ちを伝える為に、
彼女を食事に誘ったからだ。
遊太郎は、慌ただしく朝食を食べる桃子を静かに眺めていた。
心の奥底で、揺れる想いを持て余しながら……


その夕刻。
桃子は待ち合わせた大倉健人と、
オープンしたばかりのイタリアンレストランへ向かった。
広い店内の真ん中に、ガラス張りの厨房があり、
シェフやソムリエたちが、華やかなパフォーマンスを繰り広げている。
健人は、わざわざ予約したらしく、テラスの席に桃子を案内した。
普段、ラフな格好の健人が小綺麗なジャケットを着ているので、
桃子はおかしそうに笑う。

「なんか似合わない。大倉くんていえば、カラオケか安い居酒屋だし」
「悪かったな。俺でもレストランぐらいは行くんだよ」
「ふうん。でも感じいいお店だよね。すっごく美味しいし。
遊太郎も連れて来たかったなあ」
「遊太郎くん?」

そう訊く健人の怪訝な顔を気にもせず、
桃子はアルデンテのパスタを美味しそうに食べながら続ける。

「うん。遊太郎って年中無休で仕事ばっかりだし、
ホントは息抜きに連れ出したかったの。
たぶん夜とかも寝てないよ、アイツ」
「そうなんだ。忙しいのかな」
「真面目過ぎ。適当にやるって事を知らないんだよ。
例えると、そうね。まるでストイックな軍人みたい」
「軍人はないだろ」

健人はありえないと苦笑してみた。
それにしても、桃子はよく遊太郎の話をする。
しかも、つまらないとかバカみたいだとか、
悪口雑言を連ねながら、どこか楽しそうだ。

「あのさ、桃子」
デザートが目の前にやって来たとき、健人は切り出した。
「なに?」
「今日は、おまえに話があって誘ったんだよ」
「話って?」

ミルクティを飲みながら、桃子は楽しげに眉を上げる。
全く気づいていない。
これはストレートにぶつけるしかなさそうだ。

「俺とつきあってくれ」
「は?」
「大学の頃から、おまえのこと、気になってた」
「!」

桃子は目を大きく見開いた。
冗談でしょと笑いかけたが、途中で表情が固まってしまう。
真っ直ぐ見つめる健人が、真剣そのものだったからだ。

「おまえがまだ、一の宮先輩と続いてると思って諦めてたんだ。
けど、そうじゃないんなら……」
「ちょ、ちょっと待ってよ。大倉くんは、友達で」
「いい。ちょっとずつ、好きになってくれたら」

桃子の心臓がドキッと跳ねたところへ、
健人はハッキリと告げた。


「おまえが好きだ。桃子」


〜第243回をお楽しみに♪〜
by yu-kawahara115 | 2010-02-07 13:06
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