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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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第191回接近遭遇「今カノ VS 元カノ」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「私も森田さんと同じく派遣調査員です。
あなたなんですね。五十嵐桃子さん。
彼と一緒に住んでいる地球人って」

笹川夏希のこのセリフに、桃子は絶句してしまった。
遊太郎と同じく派遣調査員ということは、彼女も異星人なのだろうか……?

「言い当ててしまって、ごめんなさい。
あなたが彼と暮らしている映像が視えてしまったのと、
とても珍しいケースだと思ったから、つい…」
「珍しい?」
「ええ。普通、調査員は1人でいることが多いんです。
特に彼のようなタイプが、誰かと暮らしていることが不思議で」
「どういうことですか?」

食い下がって聞いてみる。
以前の遊太郎のことを良く知っている口振りが気になる。
すると、彼女は思い出すように答えた。

「私といた時、彼は、とても冷たい瞳をしていたから」
「あなたと、いた時……?」
「そう。まるで孤独な戦士みたいな、ね」
「……」
「だから、まだ信じられないんです。
調査員になっていることも、
現地惑星人と、一緒に暮らしていることも」

どう答えていいか分からなくて混乱している桃子へ、
彼女は、我に返って詫びた。
「変なことを話してしまって、ごめんなさい。
お仕事中に、失礼しました」
笹川夏希は軽く会釈し、エントランスの向こうへ消えて行った。
残された桃子は、呆然としながらエレベーターホールへと歩いた。

私といた時。
彼女のそのセリフが引っかかっていた。
…それって、つまり、あの笹川夏希って女と、
遊太郎が昔付き合ってたって意味?
とても賢そうで、落ち着いていて美人で。
なんだか再会出来て、嬉しそうだった。

「遊太郎のバカ……」

桃子は、そう口の中でなじりながら名刺を握りしめた。


その頃。
外に営業に出ていた遊太郎は、ハンバーガーが入った包みを抱えて、
高山が待つ車の中に飛び込んだところだった。
運転席にふんぞり返った高山が罵声を浴びせる。

「森田。てめぇ、ハンバーガーごときで何分かかってんだよ?」
「すみません。混んでいて」
謝りながら、高山の言いつけ通り、特大ハンバーガーとコーラを渡すと、
「ん?お前のは?」
と、妙な顔をした。
遊太郎は、にっこりして、僕はいいんですと答えると、
バカにしたように眉を八の字に寄せる。

「へっ。ハンバーガーが食えないのか?今どき珍しいヤツだな」
「はあ」
逆に、遊太郎からすれば不思議だった。
何故、地球人が好んでファストフードを食べるのか。

仕事に対してやる気がないらしい高山は、
ほとんど遊太郎に仕事を押し付け、
車内でCDを聞きながらハンバーガーをほおばり、メールを打ちまくっていた。
「そういや。今週の土日、開けとけよ」
「はい?」
「会社の電子メール、見てねえのかよ。
イベント好きな斉藤課長が急に計画して、
営業一課全員参加で海ツアー、やるらしいぜ」
「は、はあ」

今週といえば、桃子と海に行く約束をしたのだが、
行事があるなら、流れてしまいそうだ。
すると、高山が嬉しげにつぶやいた。
「けど。海っていや、五十嵐桃子の水着姿か。それも悪くねえよな」
「……」
遊太郎は複雑な思いだった。
プライドの高い高山は、いまだ自分になびかない桃子を、
執念深く狙い続けている。
その為に、この男を彼女に近づけさせたくはないのだが……


その夜。
帰宅した遊太郎は、
リビングで桃子が待っているのに気づいた。
また何やら怒っているが、並みの怒り方ではない。
髪をポニーテールにし、腕を組んでいる姿は男顔負けの迫力だった。
彼女は顎を動かして座れと命令した。
訳がわからないまま、上着だけを脱いでソファーに座った遊太郎へ、
彼女は据わった目つきで尋問した。


「遊太郎。笹川夏希って、女。……だれ?」


〜第192回をお楽しみに♪〜
by yu-kawahara115 | 2009-08-12 23:20
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