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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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第184回接近遭遇「父、ソリュート星へ帰る」

~あなたのとなりに宇宙人が住んでいたら?~

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
超童顔メガネのおっとりした新人営業マンは仮の顔。
その正体はプラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「あのバカを何とかしてくれ。ドクター律子。
私の命令を綺麗に無視して、あんな身体で、
桃子君に会いに行ったのだからな」

銀河連盟ステーションのコントロールセンターで、
ロータスがモニターに向かって怒鳴っていた。
そこに映し出されているのは、
地球在住のヒーラーであり、女医の天野律子である。

「それが恋人というものよ、ロータス。
レンは、きっと桃子さんのそばに行ってあげることが、
最優先だと感じたのよ」
「それは分かるが。
記憶障害こそ免れたものの、
今回は、隕石の破片をまともに胸に受けていたのだ。
それなのに平気で動き回っている。
どうなっても、私は知らんからな」

肩をそびやかすロータスへ、天野律子は柔らかくフォローした。
「私が定期的に彼をヒーリングするから、許してあげたら?」
「他のメンバーのように、
大人しく君のクリニックに通う男と思うかね?」
「そうだったわね。彼、私のことが苦手なのかも。
こんな美女をつかまえて、失礼よね」
冗談を言うが、ロータスは聞いていなかった。


しばらく間をおいて、律子が真顔で尋ねる。
「ところで、レンのお父様は?
和解したと聞いているけれど」
その質問に、温厚さを取り戻して深く頷いた。
「ソリュート陛下なら、まもなく帰星されるそうだ。
先刻、ステーションに戻って来たレンと、会っておられる」
「そう。じゃあ、親子の別れを邪魔できないから、
あなたのお説教は、やっぱり後回しね」
悪戯っぽく片目を瞑る美女に、
ロータスは、ムスッとしてそっぽを向いた。


噂のレンは、透明な天蓋に覆われた巨大ホールに居た。
長椅子に腰掛けているのは、ソリュート王である。
遠巻きにソリュート騎士団が仰々しく警護するなかで、
天の川を眺めながら2人は対話をしていた。

「本当に、心配をおかけして申し訳ありませんでした」

レンが頭を下げると、王は素っ気なく答えた。
「別に心配などしてはおらん。
お前に傷を負わせたまま帰れば、
寝覚めが悪いと思っただけだ」
相変わらず無愛想な態度だが、不思議ともう気にはならなかった。
不器用ながら、この王の愛情表現なのだと理解したからだ。

少し間を置いて、ソリュート王が訊いた。
「ところで。ソリュート星へ帰る前に確かめたいことがある」
「はい」
「あの五十嵐桃子とかいう地球人とは、
この先も、ずっと暮らすつもりなのか?」
「彼女に嫌われなければ」
わざと冗談のような答えをした彼だが、
ソリュート王は重々しい口調で諭すように言った。

「私は冗談で訊いたのではない。
長寿で不老な我々に比べ、地球人の寿命は、はるかに短い。
その前に、お前はあくまでも地球に派遣された調査員だ。
あの娘の人生を、お前の勝手で振り回すものではない」
「……」
レンは、少し眉を曇らせ、ソリュート王は語気を和らげた。
「誤解するな。お前を星へ連れ戻そうとして、
こんな酷な事を口にしている訳ではないのだ。
あの娘が好きなら、幸せを願うなら、
自分の立場をわきまえろ」
「……分かっています」

レンは広がる天の川を遠い目で眺めた。
言われなくても分かっている。
お互いに、住む世界も人種も立場も違う。
つかの間の同居人のスタンスでいるべきなのだ。
しかし、いまは彼女を大切に想い、出来る限り守りたかった。

「お前は、本当に馬鹿な奴だな」

レンの心を察したかのように、王はつぶやいた。
「この広い宇宙には星の数ほど美しい女がいるというのに。
寄りによって、銀河の外れの、あんな破天荒な娘が良いとは。
全く、お前の好みがわからぬ」
すると、レンは当然のように言い返した。

「彼女は、一本気な素晴らしい女性ですよ」
「ほう」

あまりにきっぱり言うので、ソリュート王は思わずふっと笑う。
先日の夜、生意気にも自分に意見した桃子の顔がよぎったのだ。
そんな、初めて笑う父親を見て、レンは驚いた。
それが桃子のもたらした一番の奇跡かもしれない。

「レン。あの娘に伝えろ。
料理ぐらいは出来るようになれとな」


~第185回をお楽しみに♪~
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by yu-kawahara115 | 2009-07-16 23:58
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