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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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<   2010年 04月 ( 4 )   > この月の画像一覧

第258回接近遭遇「久しぶりの彼女との時間」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「お帰り。遊太郎」

マンションに帰ると、桃子がスナック菓子をつまみながら、
ビールを飲んで迎えた。
そういえば、このところスレ違いばかりで、
桃子とはろくに話も出来ていない。

「ただいま。桃子さん。夕飯は……」
「冷蔵庫に作り置きあったから、テキトーに食べた。
今夜また接待だったんだ?」
「はい」
「高山係長、またパワハラしてたんだって。
今日、女子の間でもウワサになってたよ」

桃子はそう訊いて、チロッと横目を遊太郎に流した。
どうやら昼間の出来事について多少気になっていたようだ。
上着を脱いだ遊太郎は、レモンイエローの可愛いエプロンを身につけながら、
柔らかく笑った。

「心配してくれてるんですか?桃子さん」
「バカっ!あたしは妙なトラブルがあったら迷惑だし、
注意したいだけよ」

ぷいと横を向いて、新しい缶を勢い良く開ける。
すると遊太郎が、あたたかいミルクを淹れたマグを彼女の前に置いた。

「飲みすぎたら、明日にこたえます。
これを飲んだら休んでください。桃子さん」
「お母さんみたいなこと言わないでよ」

ぶつぶつ言いながらも、ビールは止めてミルクを口にする桃子が愛しくて、
遊太郎はこう言った。

「高山係長のことは気にしないでください。
最近、営業成績が落ちて来てるので、ピリピリしてるだけだと思います」
「そう?あの男、八つ当たりするじゃん。
イライラしたら、あたしにも絡んで来るしさ」
「桃子さんに、また何か強要して来たんですか?」

遊太郎は少し心配顔になって桃子を見つめた。
高山が執拗に彼女に言い寄っている事は周知の事実で、
何度も阻止はしているが、高山という男は懲りていない。

「大丈夫よ、あたしは。近づいて来たら殴るから。
それより、あの研修生の薬師丸くんが、高山係長に意見したせいで、
遊太郎が責められたって話を聞いて、先行きが心配だったのよ。
薬師丸くん、真面目だけど行動的なんだね。
気をつけなきゃ、高山係長を怒らせたら何するかわかんないよ」

ミルクを飲み干して、桃子は立ち上がった。
酔いが回って、ふらっとしたので、
遊太郎が慌てて彼女を支える。
久しぶりにふれあい、桃子が顔を赤くしながら、
彼の体にふわっとしがみついた。

「大丈夫ですか、桃子さん」
「酔っ払って歩けないから、お姫様だっこして」
「お姫様だっこ、ですか?」

遊太郎は困惑した。
彼女の柔らかい体と良い香りを持て余し、
聞き慣れない日本語の意味を頭の中で検索を始める。
硬直した彼に桃子が気分を損ねて、軽く突き飛ばした。

「もういい。お姫様だっこも知らないなんて。気分台無し」
「すみません」
「次回までに勉強しておいてよ。じゃ、おやすみ」

怒りながら、桃子はさっさと部屋に入ってしまった。
また怒らせたらしい。
でも、彼女とは花嫁候補問題で、しばらくギクシャクしていただけに、
短い時間でも、久しぶりにふれあって、少し嬉しく思っていた。

いつものように飲み散らかしたビール缶やスナック菓子などを綺麗に片付け、
エプロンを取って自分の部屋へ戻る。
すぐに携帯電話が震えた。
もちろん、それが上司からの呼び出しサインである事は分かっている。

遊太郎はまん丸メガネを外した。
高校生と見間違うほど幼くて目立たない風貌から、
長身痩躯の美しいレンの姿へと戻り、彼は銀河連盟ステーションへ向かった。


〜第259回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-04-25 15:44

第257回接近遭遇「薬師丸達也の怒り」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「森田さん。なぜ、あんな地球人を助けたりしたんですか?」

しんと静まり返った営業部で、
薬師丸が信じられないという表情で訊いた。
「ここ数日間、観察していましたけど、
高山係長は横暴過ぎます。
森田さんはよく我慢できますね?
自己中心的で、何も悪くない森田さんに難癖はつけて来るし、
さっきは土下座まで強要した。
あんな自己中心的な地球人を野放しにしておいていいんですか?」

その怒りに反して、遊太郎はズボンの裾を少しはたきながら、
のんびりと立ち上がった。
ズレそうなまん丸メガネをかけ直し、
おっとりとした口調で答える。

「薬師丸さん。
僕たちは、どんなことがあっても、
この惑星の人間には手を出したりしてはいけないんです。
それが派遣調査員の第一の規則ですから」
「……でも」
「高山係長は上役でもありますから、従うしかありません。
夕方から、また高山係長と外回りですが、
薬師丸さんはやめにしますか?」
「……」

薬師丸は言葉に詰まった。
あんなに酷い目に遭いながら、
何事もなかったかのように業務にすんなり戻る遊太郎が、
逆に理解しがたかったからだ。
しかし実地研修に来ている以上、
気分が悪くなったから断るというわけにはいかない。
仕方なく薬師丸は首を振った。

「行きます。我慢できるかどうか不安ですが、
不本意ながら、研修はまだ終わってませんし」
「良かったです」

遊太郎はにっこり笑った。
幼い笑顔に、薬師丸は肩すかしを喰った。
本当に、この森田遊太郎は自分と同じ派遣調査員なのだろうか?
まるで地球人になりきり過ぎていて、
先ほどのように薬師丸の力の暴発を止める術は持っていても、
侵入者を調査するような片鱗を少しも見せない。
ただ、サラリーマンとしての日常業務だけを、
淡々とこなしているだけの男なのだろうか。
上司によるイジメを受けながら……


遊太郎は遊太郎で、多少困っていた。
研修生の薬師丸達也は、正義感が強すぎる。
遊太郎が止めなければ、サイキック能力で高山を傷つけ兼ねなかった。
許せない気持ちは良く分かるが、ここはあくまでも派遣先の地球である。
できるだけ現地惑星人には干渉してはならない。
どこまで忍耐出来るか、それも派遣調査員としての研修項目に入っているのだ。

先刻、高山を叩きのめそうと力をふるいかけた薬師丸を、
神崎部長に報告すべきかどうか、
遊太郎は躊躇していた。
そのためらいが、後々、とんでもない事件に発展するとは、
遊太郎はまだ知らない。


〜第258回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-04-18 13:39

第256回接近遭遇「土下座させられた宇宙人」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
本当の正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「土下座しろよ。森田」

係長の高山が遊太郎に指を突きつけた。
営業部のフロア中が張り詰めた空気に変わる。

遊太郎は、黙って膝を折った。
地球人の、いや、日本人の土下座をどうやってするのか、
また、それがどういう意味を表しているのかは知っている。
土下座自体、やることになんの躊躇いもなかった。
自分が詫びて済むのなら、それに越したことはなく、
遊太郎はきちんと床に正座した。

厄介なのは、生真面目過ぎる研修生の薬師丸達也である。
表向きは営業担当見習いだが、
実際は地球に降りて間がない派遣調査員である。
遊太郎と違ってまだサラリーマン独特の上下関係が理解出来ていない。

「も、森田さん、なにやってるんですか?」
薬師丸が理解不能な表情で、遊太郎の横に膝をつき、囁いた。
「僕が言ったことが原因で、高山係長を怒らせているのはわかりました。
でも、何故、森田さんが土下座しなければならないんですか?
理にかなっていません。すぐにやめてください」

この余計な反論に、怒りを増したのは高山である。
思い切り薬師丸を突き飛ばし、
遊太郎の頭を鷲掴みして、床にこすりつけた。

「土下座の仕方くらい知らねえなら、教えてやる。
ほら、こうやって、地べたに這いつくばって、
オレに許しを請うんだよ。
申し訳ありませんでした。お許しくださいってな。
さあ、言ってみろ!」

遊太郎は頭を強く押さえつけられたまま、
それでも、言われた通り声を絞り出した。

「高山係長。申し訳ありませんでした」

フロア全体が暗く重い空気になり、
いたたまれなくなった社員たちが次々と外へ出て行く。
ある者は電話をかけるフりをしながら、
またある者は資料室へ書類を運ぶフリをし、
誰も助けに入ろうとはしなかった。

がらんとした広い営業部内。
横に突き飛ばされた薬師丸は、ありえない光景にただ驚き、
だんだんと怒りを募らせた。
全く信じられない。
何も悪くない遊太郎に因縁をつけて、力づくで土下座させるとは、
これが地球人の作法として、まかり通っているというのか?
遊太郎も遊太郎で、まるで意志を持たない奴隷のように、
高山ごとき傲慢無礼極まりない男に服従している。
人間としての誇りはないのだろうか。

怒りを溜めた薬師丸は、サイキック能力に点火した。
にわかに体中がカッと火照り、
素早く赤いエネルギーが体内を駆け巡って、高山に向かって放射された。


瞬間の出来事だった。
高山は目に見えない圧力に押され、遊太郎から引き離された。
それだけではなく、ぐるん、と後ろ向きに体が回転し、
恐ろしいスピードでビルの窓に向かって突進し始めたのだ。

(いけない……!)

遊太郎のまん丸メガネの奥が、ほんの一瞬だけ青灰色の光を帯びた。
無形無音の水のようなパワーが速やかに発動される。
すると、窓に向かって突進する高山の体が、ふわりと止まり、
ゆっくりと床に着地した。

「・・・・・・な、なんだ?いまのは?」

遊太郎のおかげで怪我をすることなく、
普通に立ち上がれた高山は、
首を激しくひねって、あたりを見回した。
所詮、念動力などという概念を持ち合わせていない彼は、
気のせいかと頭を振り、遊太郎と薬師丸のもとへ歩いて戻って来た。
わけのわからない現象に戦意喪失したようで、
遊太郎へ書類をバサッと投げて寄越す。

「気分が悪くなった。もういいから、見積もり、やっとけ。
薬師丸にはちゃんと上役への礼儀ってもんを教えておくように。
次は土下座ぐらいじゃ済まさねえからな」

言い捨てて、いまだ首を振り振り、フロアから退室してしまう。
ホッとした遊太郎へ、待っていたのは薬師丸の詰問だった。


「あんな地球人。なんで、助けたりしたんですか?森田さん」


〜第257回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-04-11 12:25

第255回接近遭遇「理解できない地球人の上下関係?」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「おい、森田」

翌日、係長の高山が遊太郎を呼び出した。
斎藤課長が出張中のため、あからさまに態度が大きい。
研修生の薬師丸と外回りから帰社したばかりの遊太郎は、
はいと答え、高山の前に進み出ると、
高山が椅子が倒れんばかりにふんぞり返って口を尖らせた。

「お前の担当代理店な、不備が多すぎんだよ。
ちゃんと代理店指導出来てんのか?解約件数も増えて来てるしよ。
今季の予算達成が危なかったら、課長につめられるんの、オレなんだぜ?」
「すみません」
「それによ、営業会議でやかましく部長に指摘されてる新設代理店。
お前、全然ノルマ達成出来てねえし、やる気あんのか?森田」
「すみません」
「すみませんしか、日本語知らねえのかよ。
営業マンなら、結果出せって言ってんだよ。ええ?」

それでも頭を下げる遊太郎を見兼ねた薬師丸達也が、
「高山係長、そんな責めるような言い方はないじゃないですか!」
とハッキリ抗議を口にした。
「森田さんの責任ばかりではないと思いますが。
他の営業課も、数字的には低迷しているようですし、
社会的背景も考慮に入れた対策を立てる方が優先課題かと思いませんか」
「ああ?」

高山が顔色を変えて眉を釣り上げる。
「なんだ、なんだぁ?森田。どんな後輩指導してるんだ?
係長のオレに口応えさせたり、
いっぱしに説教たれさせるなんざ、
社会人の上下関係ってもんを知らねえのかっ!」

営業部全体が一瞬にして張り詰めた雰囲気になったが、
課長クラスが全員不在のため、誰も止められない。
いつもなら平気で文句を言いにやってくる桃子も不在だった。

「……申し訳ありません」
と頭を下げに下げて詫びる遊太郎に、薬師丸がまた余計な一言を発した。
「なんで森田さんがそんなに謝るんですか?
不当な言われようは放置してはだめですよ。
高山係長は明らかに言い過ぎですから」
「なんだと」
「さっき上下関係とおっしゃいましたが、
人間はお互い尊重すべき存在であり、いまは上下関係を問題にするのは不毛ですよね。
それより営業活動に関する建設的な話し合いを……」
「黙れ!」

高山は完全にキレた。
もとよりエリートであり、人より頭一つ常に抜きん出て優秀な彼は、
誰からもストレートに注意を受けた事がない。
営業一課全体の数字を単独でも伸ばしているせいもあり、
斎藤課長たちも行き過ぎた言動には、やんわり諭す程度に留めているのだ。
それなのに、まさか短期間の研修生である若い薬師丸から、
己が悪いと指摘されるとは、高過ぎるプライドが許さなかった。

ガタンと音を派手に立て、椅子から立ち上がり、
高山は薬師丸を睨んだあと、怒りの矛先は遊太郎へと向かった。

「森田。上役に対する薬師丸の暴言は許し難い。
薬師丸の責任は、お前の責任だ。
さあ、いますぐ、床に這いつくばって土下座しろ!」


・・・・・・・・・なんでそうなるんだ?
と、薬師丸は高山の言動に驚愕していた。
遊太郎と同じく、実は異星人である薬師丸にとって、
地球人の思考形態は理解不能過ぎた。
しかし高山は、口の端を曲げて遊太郎へ指を突きつける。

「早くオレに土下座して謝れ!森田」


〜第256回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-04-04 00:19