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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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<   2010年 02月 ( 8 )   > この月の画像一覧

第247回接近遭遇「桃子、花嫁の噂に怒る」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ストレスがたまると、口調が荒くなる。
桃子は会社でパソコンに映るデータと睨み合いながら、
営業担当たちに文句を言っていた。
「契約者の名前とかぜんぶ抜けてるし、保険料計算も間違ってます。
何回言ったらわかるんですか?
それに見積書、早く作り直してください!今日の4時までにお願いします。
入力締切、明日なんですからね!」

男たちは辟易しながら、苦笑いを作り、
同僚の清美が擦りよって囁いた。
「なに、彼氏とまたなんかあった?」
「べっつに」
「桃子って、超わかりやすいんだもん。隠してもムダムダ。
このあたし、恋愛、恋バナのプロに相談しなさい」

好奇心いっぱいの清美をきれいに無視して、桃子はデータ入力に集中した。
しかし、集中しながらも頭の隅でぐるぐると考えが止まらない。

(あの遊太郎に花嫁候補がいたなんて……)

先日遊びに来たカミラは、気にしなくて良いと言ってくれたが、
時間が経つにつれ、妄想は肥大の一途を辿り始めた。

(美人で、可愛いのかな。
遊太郎って、ああみえてホントはソリュート星の王子だったりするから、
花嫁候補も物凄いお嬢サマなんじゃないの。
男なら絶対そっちになびくよね)

だんだん腹が立って来た。
ひょっとしたら、遊太郎がよそよそしいのは、
やっぱり花嫁候補がいるからではないのか。
カミラは、遊太郎には桃子が一番の恋人だと慰めてくれたが、
実際のところ本人から訊いたわけでもないので謎だらけだ。
現に、つい数ヶ月前、元カノらしき人物が登場して悩まされた事もあった。

妄想に次ぐ妄想で、1日が終わり、桃子は帰社した遊太郎を捕まえた。
やっぱり、悶々と悩むのは性に合わない。

「帰ろ、遊太郎」
「あ、すみません、桃子さん。書類整理がまだで」
「そんなもん明日にしなさいよ」
「え?」
周りも気にせず、遊太郎の腕を強くつかんで引っ張る。
それを見ていたのが、桃子に何度もフラれている係長の高山である。
携帯をいじるフリをしながら、揉めている2人に聞き耳を立てた。

「大事な話があるから、帰ろって言ってんの」
「あとでちゃんと聞きますから。それに、僕、あとで部長に呼ばれていて……」
「部長?」
ピクリと桃子の眉が上がった。
「部長って、神崎部長?」
「はい」

直感だった。
神崎部長は、ただの人事部長ではない。
遊太郎と同じく地球人の肉体を纏った異星人である。
呼ばれたという事は、何かあるのだ。

「……ふうん。やっぱり、あの話はホントなんだね」
「あの話?」
「あんたに花嫁候補がいるって話」

言い捨てて、桃子は遊太郎の腕を放した。
ぷいと向きを変え、フロアを出て行ってしまう。
残された遊太郎は呆然とした。
何故、桃子が自分の花嫁候補の事を知っているのだろうか。
すると、背後から誰かに肩をガッチリ掴まれた。
高山である。

「五十嵐と、なに揉めてたのかな?」
「い、いえ。別に」
「花嫁って、お前、結婚とかするの」
「え」
遊太郎は言葉に詰まった。
また厄介な男に聞かれたものだ。
高山は意地悪そうに笑みを浮かべて、遊太郎を眺めた。

「へえ。超ガキっぽいくせに、やることやってんじゃん。
五十嵐に気があるんじゃないかってふんでたけど、
ちゃあんと結婚相手もいて、フタマタかけてたってわけか?」
「違います」

遊太郎は高山を押しのけた。
彼の意外な反応に、高山はムッとする。
遊太郎のネクタイをつかみ、怒鳴った。
「なんだよ?上役に向かって、その態度は。
ハッキリしろよ。お前がイトコの五十嵐に惚れてるのはわかってんだ。
で、他に花嫁たあ、なんだよ、って質問してんの。オレは」

まずいな、と遊太郎は思った。
まだ社内にいた人間が数人、こちらをうかがっている。
しかし、高山は苛める対象を見つけて執拗に絡んで来た。


〜第248回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-02-28 13:14

第246回接近遭遇「歓迎したくないニュース」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜
★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「変わりはないか。レン」

銀河連盟ステーションの衛星通信の個人ブースで、
父親のホログラムがレンへ語りかけて来た。
長い間の確執から和解したあとの、初めてのプライベートコンタクトだ。
深いシートに腰掛けた彼はゆっくり頷いた。

「はい。ソリュート陛下もお変わりなく」
「父と呼びなさい。わが息子よ。
……少し、また痩せたようだが?」
「大丈夫です」
「なら、良い」

あまりに素っ気ない親子の会話だが、和解したとはいえ、
無口な男同士、親しく話す事には慣れていない。
やがてソリュート王が質問を繰り出した。

「ときに、あの娘は元気か」
「あの娘?」
「生意気にも私と酒の飲み比べをし、文句をたれた地球人の小娘だ」

咳払いをするソリュート王に、レンはわずかに笑みを作り、
「桃子さんのことですか?」
と訊いた。
口では、ぞんざいに表現しているが、
父親が彼女に一目置いているらしい事は分かった。
「彼女はとても元気です」
「だろうな」
そう言って溜め息をつき、
ソリュート王らしくない曖昧な口調で話し始めた。

「……もうすぐ、アレが地球に行くぞ。覚悟しておけ」
「誰がですか」
「お前の花嫁候補だ」
「……花嫁」

一瞬、レンは美しい眉を潜めた。
咄嗟に、どんな表情をしたら良いのかわからなかったのだ。
花嫁候補。
レンの母星のソリュート星では、
王族に限り、多くの候補者がいて当たり前である。
どれほど若くとも、いつ結婚しようが自由であり、
また、何人の夫や妻を迎えても構わない。
どちらかといえば、男性よりも女性が積極的にアプローチし、
それはソリュート王子の花嫁候補者たちも同じだった。

いかにも不機嫌そうに黙っいる息子へ、父親のホログラムがわずかに揺らぐ。
「あの事故が原因で、わが評議会の連中は、
お前を次期ソリュート王とは認めていない。
しかし花嫁候補たちは別らしい」
「……」
「お前は、まだ若すぎて結婚など考えもしていないだろう。
どうするかは自分で決めろ」

そう言われても返答のしようがなかった。
何故、こうも次から次へと災難やトラブルが続くのだろうか。
派遣調査員としての仕事に集中しなければならない時に、
プライベートで、良く知らない女たちが来られては、たまらない。
しかも、地球には桃子がいる。

「これを知ったら、あの娘は、どう思うだろうな」
そうポツリと投げかけられ、父親とのプライベートコンタクトは途絶えた。

衛星通信ブースから離れたレンは、不機嫌な表情で、
広大なステーションを歩き続けた。
もちろん答えは決まっている。
どんな女性が現れても、相手にするつもりはなかった。
華やかな女性たちとの付き合いに、それほど興味がないということもある。
しかし、問題は地上に降りられることだ。
桃子に知られる前に、ソリュート星へ追い返さなければならない。

ふとその時、レンは苦笑して立ち止まった。
透明な広々とした通路から見える宇宙を眺める。
桃子と一定の距離を置こうと律して来たのに、
花嫁候補の存在を彼女に知られたくないという、
矛盾した自分が妙におかしかった。

(いっそ、彼女に嫌われた方がいいかもしれない……)

ちゃんと向き合えないのに、桃子をそっと見守り続けたい。
この自分のスタンスが、桃子を悩ませていて、
自分が悪いのはわかっていながら、どうする事もできないでいた。


〜第247回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-02-25 00:05

第245回接近遭遇「遊太郎に花嫁候補?」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「は、花嫁候補?」

思わず高い声をあげた桃子は、慌てて口を両手で押さえた。
ベランダに出て電話を架けている母親の博子に聞こえてしまうと思った。
しかし、博子は長電話に没頭していて終わりそうもなく、
桃子はカミラに向き直った。

「カミラさん、ちゃんと教えて。花嫁って、まさか」
恐ろしく真剣な表情で詰め寄ったせいか、
カミラは愛くるしいブラウンの瞳をパチパチさせた。
「モモコさん、どうしたの?かお、こわい」
「あっ、ごめん」

我に返って引きつり笑いを作る。
ここでは話せないからと、カミラを自分の部屋に連れていき、
注意深くドアを閉めた。
一緒に並んでベッドに腰掛け、桃子はカミラにあらためて尋ねる。

「もしかして遊太郎に花嫁候補とか、いるの?」
すると、カミラは天真爛漫な顔で大きく頷いた。
「そう。いっぱいいる」
「い、いいいいいいっぱい?」
激しくどもってしまい、誤魔化し笑いを作った。

「冗談でしょ。あんな子供っぽいヤツが、女の子にモテるわけないじゃん」
そう言いながら、桃子はハタと固まる。
あの遊太郎は、仮の姿であることを思い出したからだ。

混乱して来た。
枕を胸に抱いて、落ち着かせようと深呼吸する。
「あのさ。カミラさんたちの星って、みんな、候補がたくさんいるのが普通?」
「王族だけは生まれたときから、決まった候補者もいるよ」
「決まった候補者?」
「レンは、母星を飛び出してるけど、やっぱり王子だから」
「あ、そっか」

いまは地球へ派遣調査員で訪れてはいるが、
彼の本当の身分はソリュート星団の第一王子である。
普段はすっかり忘れているので、今さらながらショックを感じ、
桃子は枕をキュッときつく抱きしめた。
そんな彼女とは対照的に、カミラはごく当たり前のように話す。

「決められた候補者がいても、他に好きな人がいたら、それは自由」
「自由?自由なんだ。そ、そうよね」

ふーっと溜め息をつくと、桃子は脱力した。
考えてみれば、異なる惑星なら文化が違って当たり前で、
遊太郎が拒んでも、王子である以上、婚姻問題はついて回るはずだ。
いままで、考えつかなかった事の方が、おかしいのかもしれない。

「じゃあ、遊太郎はいつか、花婿候補から選んで結婚するんだ」
「モモコさん?」
「だって、遊太郎、なんかよそよそしい時があるし。
あたしに距離を置いてるホントの理由って、
自分には決められた花嫁候補がいるからかなって」

それが正解だとしたら、と桃子は思った。
彼はもともと自分の事はあまり話したがらない。
桃子に遠慮して言えなかったのだとしたら……
すっかり落ち込んでしまった桃子へ、カミラが大人びた表情を向けた。
白く繊細な手を桃子の手の上に重ねて言う。

「だいじょうぶ。どんな花嫁がいても、
レンの恋人はモモコさんだけ。カミラにはわかる。
だから、レンを信じてあげて」
「カミラさん……」

手から優しい気持ちが伝わって、桃子は抱えていた枕を離して、
彼女の手を握りしめた。
まだ多少動揺は残っていたが、
カミラのお陰で少し元気が出て来た。

そこへ、母親の博子がドアを開けて、
「なあに、コソコソしてんの?あたしも混ぜなさいよ」
と口を尖らせたので、桃子とカミラはお互い苦笑いを作り、
リビングへ戻ることにした。


その後日。
月の裏側に浮遊する銀河連盟ステーションへ、
遥かソリュート星より衛星通信が届いた。
相手はソリュート星団の王である。
地上から戻っていたレンは、
プライベートコンタクトを受信する為に、個人用通信ブースへ入った。


「レン、お前に大事な話がある」


〜第246回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-02-21 13:55

第245回接近遭遇「カミラの衝撃的発言」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「で?あんたたち、いつ結婚するの?桃子」

その頃。
マンションへ、いきなり遊びに来た母親の博子が、
持参した煎餅をかじりながら訊いていた。
遊太郎は不在で助かったものの、桃子は心底うんざりした。

「お母さんてさ、結婚とか、見合いしか日本語知らないの?」
「失礼な。あたしはただ、可愛い孫と可愛いお婆ちゃんっていうのに
憧れてるだけよ」
「ま、孫って、そんな、気が早過ぎ」
「アラ。うちの隣の山田さん、知ってるでしょ?
あたしと変わらない歳で、もう3人もお孫さんがいるのよ。
どれだけ羨ましいかわかる?」
延々とお喋りが続く。
早く帰ってくれないかなとイライラした。
こんなところに遊太郎が帰って来て、博子が彼にも同じ質問をしたら困る。
そこへ玄関のベルが鳴った。

「こんな夜に誰だろうね?」
茶を飲みながら博子が首をひねると、
桃子は宅配便かもとつぶやき、ドアを開けた。
そこに立っていたのは、人形のように愛くるしい少女だった。

「モモコさん、コンバンワ。また来ちゃいましたぁ」
「カミラさん!」

カミラという名に、リビングにいた博子も飛んで来た。
成り行きでカミラとはすっかり顔馴染みになっていたのだ。
「あらあら、カミラちゃんじゃない。日本にまた遊びに来たの?」
「ハイ。モモコさんのママ。カミラ、日本、だいすきデス」
「入って、入って。カミラちゃん。桃子、何してんの、お茶!」

アゴでこき使われた桃子は、再びうんざりして、
はしゃぐ2人を横目にキッチンで新しいマグにコーヒーを注いだ。
美少女カミラは表向きアメリカ人で、
遊太郎の友達だという事になっているが、
実は遊太郎と同じ惑星から度々、地球に訪れている女の子だ。

ソファにちょこんと座ったカミラが辺りを見回して訊いた。
「えっと、レン、……じゃない。ユータロウはいないの?モモコさん」
すると、煎餅を差し出しながら博子が代わりに答える。
「そうなのよ。最近あたしも遊太郎ちゃんに会えてないの。
あの子の美味しい手料理が食べたいのに、残念だわあ」
「カミラもざんねん」
「桃子が、どこかに隠してるんじゃない?ヤキモキ焼いて」

楽しげに内緒話をする博子と、
一生懸命に日本語をヒアリングするカミラ。
2人で盛り上がっている中、桃子は溜め息をついて携帯に手を伸ばした。
目ざとく博子が叫ぶ。

「遊太郎ちゃんに早く帰って来てって言ってよ、桃子。
カミラちゃんまで来てるんだから」
「はいはい」
口ではそう答えたが、メールした内容は当然ながら、
(いまは絶対帰って来るな)である。

そういえば、土曜日だというのに、
遊太郎とは昨日から顔を合わせていなかった。

(にしても。昨日は焦ったなあ……)

桃子は思い出して嘆息した。
昨夜、隣人の大倉健人から好きだと言われてしまったのだ。
驚いて、ごめんなさいと断ったが、
健人に、本当は遊太郎が好きなのかと言い当てられ、
かなり焦ってしまった。
隠していたつもりでも、やっぱりバレている。

「モモコさん、どうしたの?」
キッチンに立ったままボンヤリしていた桃子の近くに、可憐な顔があった。
博子は電話を架けようとベランダに降りてしまい、
その隙に近づいて来たようだ。
桃子は、ううんと首を振った。

「別に。ウチのお母さんが結婚、結婚ってうるさいから、
イヤになってるだけ」
「モモコさんはレンと結婚するんでしょう?」
「え」
なんてストレートな質問なんだろうと、ドキッとしていると、
カミラはライトブラウンの瞳を見開いて、
衝撃的な発言をした。


「レンには花嫁候補がいるけど、モモコさんなら、だいじょうぶ」
「は、花嫁候補?」


〜第246回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-02-18 00:05

第244回接近遭遇「遊太郎×健人」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

翌日の土曜日の夜。
遊太郎は大倉健人に呼び出された。

『桃子にフラれた』

健人からのメールにはそう書かれていて、
晩飯に付き合って欲しいという。
昨夜から桃子とは顔を合わせてはいないが、
健人が彼女に振られた理由が、自分にあるのだとしたら、
健人を傷つけている己を恥じた。
桃子との関係を隠しながら、健人を応援すると言ってしまったからだ。


「ここのラーメン、旨くて」
古びた屋台に腰掛けて、健人が遊太郎に変わらぬ笑みを投げかけた。
全く邪気というものがなく、ますます遊太郎は心が痛んだ。

「……僕は、大倉さんを傷つけました」
遊太郎は自分から話を切り出す事にした。
健人のような素朴で純粋な男を誤魔化す事は、もうしたくない。
すると、健人は遊太郎の横顔を見つめ、ポツリと訊いた。

「やっぱり、遊太郎くんも桃子が好きなんだ」
「すみません」
「桃子も君が好きみたいだ。違うって言ってたけど、わかるよ」
「……」

だから、あっさり振られた、と健人は自嘲気味に少し笑い、
ラーメンをすすった。
遊太郎は頭を下げる。

「……本当にすみません」
「済んだことは仕方がないって」
健人は屋台のオヤジに日本酒を頼み、遊太郎にも促した。
彼が呑めないのは知っているが、
「こういう話は素面じゃあな。ちょっとだけならいいだろ?」
と促され、遊太郎も頷いて少しだけ口にした。

しばらくして、健人は昨夜から抱いていた疑問を口にした。
「なんで隠すんだ?桃子は誤魔化そうとするし。
イトコで付き合ってたっていいじゃないか。
君もさ、俺が桃子に打ち明けても平気だったのか?」
「それは」
「理由によっちゃ、俺は彼女を諦めきれない。
こんなこと言うと、こっぱずかしいけど、
惚れた女が振り回されるって、見ててツラい」

ぐいと酒を呑み干し、オヤジが黙って空のコップを満たしてゆく。
遊太郎は意を決したように答えた。

「僕は、桃子さんにはふさわしくないんです」
「え?」
健人が意外そうに眉をひそめた。
「そんな事はないだろ?」
「……いえ、僕なんかじゃダメなんです。
でも、桃子さんは、ちゃんと普通に幸せになって欲しいから……」

健人は酒を飲む事を忘れて、遊太郎の横顔をじっと見ていた。
桃子のイトコで、いつも控えめで柔らかな印象の彼が、
今夜は少し違う男に見える。

「遊太郎くん、君は一体……」
「大倉さんに詳しい事を話せなくて、すみません。
でも、僕は桃子さんを幸せに出来る人が現れて、
桃子さんもその人を受け入れるなら、それが一番良いと思ってます」

そこだけはキッパリと話す遊太郎に戸惑い、
それでも健人は納得がいかぬ顔で、残りの酒を飲み干した。
「どんな理由があるのか知らないけど。
遊太郎くんは自分に自信がないだけなんじゃないか?」
「自信……」

痛いところを突かれた気がした。
確かに自信はまるでない。
それに、背負ってしまった過去が多過ぎて、
桃子を幸せにする資格すらないと思っていた。
彼女を、いつか永遠に失うのではないかという恐れがある。
かつて、過失事故で母親や姉を失った時のように……


不意に黙り込んでしまった遊太郎に、健人は言った。

「桃子の気持ちはどうなる?」
「桃子さんの気持ち」
「そうだよ。一番大事なのは気持ちだ。
事情はわからないけど、このまま宙ぶらりんにしておくなら、
俺は遊太郎くんでも許さないよ」
「……」


健人の言葉は正しい。
桃子の気持ちが一番尊重するべきものだと、遊太郎にはわかっている。
このままにしておけない事も。

冷たい夜風が、遊太郎の心の中まで吹きすぎていた。


〜第245回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-02-14 14:10

第243回接近遭遇「フラれた理由」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「おまえが好きだ。桃子」

レストランで、
大倉健人に告白された桃子は、
どう反応していいかわからなかった。
健人は大学時代の仲間で、素朴で優しい男だが、
異性として、一度も見たことがなかったからだ。

「大倉くん。急にそんなこと言われても。あたし……」
「ずっと好きだった。卒業してからも忘れたこと、なかったんだ」
真っ直ぐ桃子を見る健人を正視できず、つい下を向いてしまう。

「……ごめん、大倉くん」
「え?」
「あたし、好きな人がいるんだ」
「……」

健人が、ゆっくり息を呑んだ。
俯いた桃子の全身も緊張して固くなる。
一生懸命告白してくれた彼の視線が痛く感じられたが、
自分に嘘はつけなかった。

「……好きな奴って」
「大倉くんが知らない人」
「遊太郎くん、だろ?」
「なんで?違うよ」

ギクリとして顔をあげ、慌てて否定する。
遊太郎の名前が出て来るとは思わなかった。
しかし健人は、やっぱり、と苦笑した。

「桃子の顔にぜんぶ書いてある。
イトコで、弟みたいなもんだって前に話してたけど。
遊太郎くんの話をする時、すごくイキイキしてるし。
いくら俺が鈍くたって、わかるよ」
「ホントに違うんだって」

力いっぱい首を横に振る。
遊太郎との関係は、
他人には知られない方が良いのだ。

「とにかく、ホントに大倉くんが全然知らない人だよ。……ごめん」
「あやまんなくていいよ。余計へこむだろ」
「でも」
「最初から、俺を何とも思ってないのはわかってたし」
「……」
「相手が誰だって、おまえがホントに好きなら、いいんだ。
今まで通り、俺とは友達で」
「……うん」

口の中で小さく返事をしたのは、微妙に感じたせいだ。
男友達に好きだと言われて、今まで通りただの友達でいられるだろうか。
顔を合わすたび、意識してしまうのは避けられない。


一方、桃子にあっさり振られた健人も、怪訝な気持ちでいた。
桃子は否定したが、好きな人というのは遊太郎に違いない。
隠さなくても良いのに、と不思議に思う。
彼がイトコでも恋愛は自由なはずだ。
しかし、と内心で首をひねった。
振られたのはショックだが、
ただ、ひとつスッキリしないのは、遊太郎の態度である。

先日、彼が健人の風邪を見舞いに訪れた時、
桃子に気持ちを打ち明けると話したのに、
彼は『応援します』と答えたからだ。
桃子の片思いとは考えにくいので、
遊太郎も彼女の事を好きなら、そんな風に言えないはずである。
どうも符に落ちない。
彼女をすっぱり諦めるために、遊太郎の真意を確かめなければと思った。


その頃。
遊太郎は会社で、ひとり残業をしていた。
週末ということもあり、先輩社員から飲みに誘われたが、
すみませんと丁寧に断り、仕事に没頭する。

今日はマンションに帰りたくなかった。
今頃、桃子は大倉健人と食事をし、
彼から気持ちを打ち明けられているはずだからだ。

遊太郎は、パソコン画面を見るのをやめて、
不要な書類をシュレーダーにかけるために席を立った。
とたんに携帯電話が振るえ、開くと着信メールが光っていた。

大倉健人である。
もう話は終わったのか。
少し躊躇したが、思い切って開いた。
そこには健人らしいシングルな文章が綴られていた。


『桃子にフラれた。
明日、ヤケ食いに付き合ってくれるかな?遊太郎くん』


〜第244回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-02-10 23:34

第242回接近遭遇「告白デート?」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

その週末。
朝から桃子はワクワクしていた。
大倉健人から夕飯に誘われていたからだ。
もちろん単に美味しいものが食べたかっただけで、
健人が何故誘ったのかを気づけないでいた。

「遊太郎もいっしょに行かない?新しくオープンしたイタメシ屋」
無邪気に遊太郎も誘うが、
彼はキッチンに立ち、朝食を作りながら首を振った。

「今夜は仕事があって……すみません」
「まぁた仕事?金曜日だよ」
「すみません」
「ほら、いっつも、すみませんすみませんって。
なんで謝るのよ?」
「……」

どちらかというと口下手な遊太郎が戸惑っていると、
桃子はさすがに悪いと思って、口調を和らげた。
「ごめん。たまには息抜きしなよって言いたかったんだ。
あんたってさ、24時間、表と本業で仕事漬けじゃん」

かといって無理に来いとは言えない。
桃子はわかったと強引に話をまとめた。
「まあ、さ。今夜は大倉くんと行って来るけど。
次回は一緒に行こうよ」
「はい」

そう返事をしたが、仕事が入ってなくとも、
遊太郎は彼らの邪魔をするつもりはなかった。
大倉健人は、桃子に自分の気持ちを伝える為に、
彼女を食事に誘ったからだ。
遊太郎は、慌ただしく朝食を食べる桃子を静かに眺めていた。
心の奥底で、揺れる想いを持て余しながら……


その夕刻。
桃子は待ち合わせた大倉健人と、
オープンしたばかりのイタリアンレストランへ向かった。
広い店内の真ん中に、ガラス張りの厨房があり、
シェフやソムリエたちが、華やかなパフォーマンスを繰り広げている。
健人は、わざわざ予約したらしく、テラスの席に桃子を案内した。
普段、ラフな格好の健人が小綺麗なジャケットを着ているので、
桃子はおかしそうに笑う。

「なんか似合わない。大倉くんていえば、カラオケか安い居酒屋だし」
「悪かったな。俺でもレストランぐらいは行くんだよ」
「ふうん。でも感じいいお店だよね。すっごく美味しいし。
遊太郎も連れて来たかったなあ」
「遊太郎くん?」

そう訊く健人の怪訝な顔を気にもせず、
桃子はアルデンテのパスタを美味しそうに食べながら続ける。

「うん。遊太郎って年中無休で仕事ばっかりだし、
ホントは息抜きに連れ出したかったの。
たぶん夜とかも寝てないよ、アイツ」
「そうなんだ。忙しいのかな」
「真面目過ぎ。適当にやるって事を知らないんだよ。
例えると、そうね。まるでストイックな軍人みたい」
「軍人はないだろ」

健人はありえないと苦笑してみた。
それにしても、桃子はよく遊太郎の話をする。
しかも、つまらないとかバカみたいだとか、
悪口雑言を連ねながら、どこか楽しそうだ。

「あのさ、桃子」
デザートが目の前にやって来たとき、健人は切り出した。
「なに?」
「今日は、おまえに話があって誘ったんだよ」
「話って?」

ミルクティを飲みながら、桃子は楽しげに眉を上げる。
全く気づいていない。
これはストレートにぶつけるしかなさそうだ。

「俺とつきあってくれ」
「は?」
「大学の頃から、おまえのこと、気になってた」
「!」

桃子は目を大きく見開いた。
冗談でしょと笑いかけたが、途中で表情が固まってしまう。
真っ直ぐ見つめる健人が、真剣そのものだったからだ。

「おまえがまだ、一の宮先輩と続いてると思って諦めてたんだ。
けど、そうじゃないんなら……」
「ちょ、ちょっと待ってよ。大倉くんは、友達で」
「いい。ちょっとずつ、好きになってくれたら」

桃子の心臓がドキッと跳ねたところへ、
健人はハッキリと告げた。


「おまえが好きだ。桃子」


〜第243回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-02-07 13:06

第241回接近遭遇「試されるこころ」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜
★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「遊太郎くん、君……?」

大倉健人は、まん丸メガネの遊太郎の童顔を覗き込んだ。
遊太郎が健人の背中を撫でた瞬間、ひどい咳が止まったからだ。
温かな、なんとも形容しがたい流れのようなものが、
背中から広がって、細胞の隅々が癒やされていく。

「どうかしましたか?大倉さん」

遊太郎はキョトンとして小首を傾げた。
まるで子犬のような仕草に、健人は調子を狂わされて苦笑いをする。

「……あ、いや。急に具合が良くなったから。
遊太郎くんに背中をさすってもらっただけなのに」
すると遊太郎はにっこり笑みを返した。
「きっと風邪薬が効いて来たんですよ」
「そ、そうか。そうだな。さっき飲んだ薬のせいか……」

身体が楽になったのは不思議でもなんでもなく、
風邪薬のせいだったのだろうか。
持ち帰った仕事はあるが、今夜は早く寝ようと考え始める。
そんな健人の様子を見て、遊太郎は立ち上がった。

「僕、そろそろ失礼しますね」
「あ、遊太郎くん。今夜はわざわざ見舞いに来てくれてありがとう」
「いえ。大倉さんも、お大事に」
玄関まで彼を送った健人は、
オートミールの容器を遊太郎に返しながら、ポロッと漏らした。

「……あのさ」
「はい?」
「俺、決めた」
「?」
「桃子に惚れてるって、言っちまおうかと思う」

健人の真剣な顔が、真っ直ぐ遊太郎に向けられている。

「好きなんだ」
「……」

遊太郎は、時間が止まったような感覚を覚えた。
もちろん、最初から分かっていた事だ。
桃子への想いを躊躇して伝えられずにいた健人。
いま、気持ちを打ち明けようと決めた彼を、
どうして止められるだろう。

「遊太郎くんはどう思う?」
「……僕、ですか?」
「その。俺、桃子に好きだって言っても、良いかな?」
「それは……」

すぐに答えられるはずがない。
しかし、遊太郎は自分の心を強い意志で抑えつけた。
やや俯いて、一瞬だけまばたきをしたあと、顔をあげる。

「僕は、……大倉さんを、応援します」
「応援?」
「はい」
「やった。桃子のイトコが味方なら、勇気出るっていうか。
風邪が治ったら食事に誘って、
桃子に自分の気持ちを伝えてみるよ。ありがとう」
風邪など飛んでゆく勢いで、健人は晴れやかな顔を作った。


大倉健人の部屋を出た遊太郎を、底冷えする空気が取り巻く。
……これでいい。
遊太郎、いや、レンは自らを納得させるように、
心の内で言い聞かせた。
所詮、自分は、この惑星の人間じゃない。
桃子にとって、つかのまの夢に現れた脇役に過ぎないのだ。
だから、桃子を本当に幸せにする地球人の男に、
彼女を委ねる事こそ正しい道だ。しかし……

「……」

ぐっと、彼は右手で己の胸をつかんだ。
どうしてだろう。
正しい判断をしているはずなのに、胸の奥が張り裂けそうに、痛い。


部屋に戻ってみると、桃子がぐっすりと眠っていた。
先刻、生体エネルギーを注入した為か、熱が下がり呼吸も安定していた。
遊太郎は安堵し、起きたら飲めるように水さしを枕元に置いた。
いまだ揺らいだ心を抑えながら……


翌日。
嘘のように回復した桃子は、元気に会社へ出勤し、
いつも通り仕事に集中していた。
ようやく昼休みになったとき、
携帯電話に大倉健人からのメールを受信する。

健人もどうやら風邪から脱したらしい。
用件は、お互いの回復を祝して美味い店へ行こうという誘いだった。
例によって同僚の清美が楽しげにからかう。
「誰から?あの美形彼氏?それとも森田くん?それとも……」
「近所に住んでる大学の友達だよ」

あっさり答えた桃子は、
特に何も気づかず、大倉健人の誘いに乗ることを決めた。


〜第243回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-02-03 21:44