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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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第104回接近遭遇「桃子、銀河連盟ステーションへ」

~あなたのとなりに宇宙人が住んでいたら?~
★森田遊太郎(23)★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は童顔メガネのおっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ異星人レンである。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がないらしい。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているが、
最近ようやく恋人モードに♪


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

(ウソみたい…。本当に、本当に現実なの?)

遊太郎に会いたいと言ったら、
まさかこんな遠すぎる所へ案内されるとは、
桃子の想像をはるかに越えていた。

そう、ここは月の裏側に隠れて浮遊する、
銀河連盟ステーションなのだ。
最も、宇宙船に乗ってやって来たわけではない。
桃子の会社の非常用エレベーターを利用したのだ。
神崎部長に説明されてもさっぱり分からなかったが、
彼らは簡単に人間を転送できるテクノロジーを持っているらしい。


着いた早々に、雑菌除去シャワーを浴びるよう指示され、
銀色のぴったりしたスーツに着替えさせられた。
そして、あとで医療機関へ連れて行くから、
ゲストルームで待つようにと神崎に言われたきり、
たった1人にされてしまったのである。

誰もいない広すぎる楕円形の部屋。
緊張をほぐす為に伸びをしてみた。
そして、自分の無理な願いを聞き入れ、
ここまで案内してくれた神崎の事を思った。

初めて知ったが、見慣れた神崎も仮の姿とは驚きだった。
普段はダンディな日本人紳士なのに、
本当は知的な褐色の瞳、ブラウンの髪をしていた。
体格はがっしりしていて、やはり外国人のように見える。
それでも、醸し出す穏やかな波動は変わらなかった。

「失礼、桃子君。
私の本当の名前はロータス。
驚かせて申し訳ないが、私も地球人をコピーしているのです」

あらゆる事が、あまりにもスケールが違いすぎるので、
ひょっとしたら、この巨大なステーション全体が、
よく出来たSF映画のセットなのかもしれないとさえ、
桃子は思ってしまった。

(でも、何だっていい。早く遊太郎に会わせて欲しい。
あのままマンションにいたら、心配で気が変になりそうだった。
だから、こんな所にまで来たんだもの。
…でも、遊太郎。本当に大丈夫なの?)

酷い怪我をして重体だという遊太郎。
ひと目でもいい、会いたかった。
しかし神崎であるロータスの迎えはまだ来ない。


その頃。
ステーションの中にある医療機関、つまり集中医療センターで、
ロータスはドクター達に再度質問をしていた。

「レンの容体は?変わらないのかね」

すると、彼ら医師団がモニター画像を指しながら説明した。

「腹部の傷は経過良好です。
ただ、磁気性のあるチップを脳に長時間インプラントされていたので、
脳神経へのダメージが大きい」

「だから意識が回復しない?」
「ええ。それに失血による衰弱も激しいので」

「右目はどうだ?」
「角膜の損傷は処置が終わりました。しかし見えるかどうかは…」
「これも意識が戻らないと分からないという訳か…」

ロータスは針のようなチップが浮いているシリンダーを手にした。
こんな物を頭の中に入れられ、数日間もよく動き回れたものだ。
全く我慢強いにもほどがある。


集中医療センターには、銀白色のカプセルが並んでいて、
その中のひとつにレンは身を横たえていた。
両目は長方形の白いアイガードに覆われ、
耳から直接周波数を送信する小型ヘッドホンが装着されている。


「キャプテン・ロータス。
ゲストルームに地球人女性を待たせていると聞きましたが、
レンに会わせる為なのではなかったのですか?」

スタッフにそう聞かれ、ロータスは険しい表情をした。

「彼女が強く望んだので連れて来てしまったのだが、
こんな彼の姿を見ればショックが大きいだろう…。
そう思うと、会わせる事に迷うのだよ」

そこへ誰かが近づく足音がした。
「女はあなたが思うほど弱い生き物じゃないわ。ロータス?」

華やかな声に振り向くと、場違いに豪華な美女が微笑んでいた。
天才ヒーラーである女医の天野律子である。

「ドクター律子。来ていたのか」
ロータスが溜めていた息を吐き出すと、
彼女はカプセルの中のレンを見つめながら、
艶っぽくこう言った。

「あの桃子さんなら大丈夫。それに最近は、
お姫様が王子を目覚めさせるものよ?」


~第105回をお楽しみに♪~
by yu-kawahara115 | 2008-10-01 00:07
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