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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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第70回接近遭遇「トニー流・エイリアン確保」

~あなたのとなりに宇宙人が暮らしていたら?~

●森田遊太郎(23)・・・童顔のメガネ男子で天然系営業マン。
実は、銀河連盟より派遣された地球調査団メンバー。コードネームはレン。


●五十嵐桃子(26)・・・遊太郎の正体を知る、勝ち気で現実的なOL。
彼氏いない暦3年。
宇宙人やUFOには全く興味がないらしい。

この二人、表向きイトコ同士でルームシェアをしているのだが・・・?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

とうとう、見合いをする日曜日。
美しい庭園が見えるホテルの一室で、振袖姿の桃子がいた。
そばに仲人の女性と、向かいには相手の男性が控えている。

母親の弘子が同席しなかったのは、桃子がゴネたからだ。

「こちらが五十嵐桃子さん。営業事務をされているお嬢さんで、
趣味は音楽鑑賞。お料理も得意だそうよ」
仲人の女性がにこやかに紹介し始める。

(音楽鑑賞に料理が得意?ぜんぜんウソじゃん!)

桃子は思いっきり舌を出したい気分だ。
とにかく早く逃げようと企んでいた。

相手は銀行勤務のお坊ちゃまらしく、髪を七三にキッチリ分けている。
桃子はおしとやかな演技をしながら、会話を右から左へ聞き流していた。



同じホテルのロビーで、
遊太郎はトニー・アンドリュースと、
表向きの営業の仕事ではなく、調査員として侵入者の張り込みをしていた。

「日曜日は日本の観光を遊太郎に頼もうと計画していたのに、
エイリアンの張り込みだなんて野暮だよねえ」
トニーは肩をそびやかせた。
「さっさと捕まえて遊びに行こう。遊太郎」
「・・・・・」

この時、遊太郎は桃子と同じホテルにいるとは、まだ気付いていなかった。
何故なら、今日はピアス型発振器を彼女がつけていなかったからだ。


今回のターゲットは観光客のフリをして、
女性を騙して振り回すという人騒がせなエイリアンだった。
「遊太郎。心配しなくていいよ。
ボクは強いし、アメリカでも検挙率は100%なんだ。
すぐにエイリアンを確保してみせるからね」
トニー・アンドリュースにとって遊太郎は、
幼なすぎる童顔に丸い黒ぶちメガネをかけた、小柄な日本人にしか見えていない。

トニーが、リーダーシップを取らなければ、あまりに頼りなかった。
ここは素晴らしいエイリアン確保のワザを見せてやるのが、
日本へ研修に来た自分の仕事でもあるのだと、悪気なく思っているようだ。


豪語するだけはあり、トニーはすぐに気付いた。
「見つけた。あの男が怪しい」

団体客に紛れて、女性に執拗に話しかけている男に目を付けたらしい。
高価なカメラを手にしてブランドに身を固めた男だ。確かに波動スキャンでは、地球人ではありえない。

「トニーさん、どうするつもりなんですか?」
動き出そうとするトニーへ、遊太郎がささやいた。
トニーはウインクをする。
「キミは見学していたまえ。ボクがうまく誘導して捕まえよう」
「えっ?」

調査員は目立たないよう動くのが鉄則である。
しかし、トニーはいかにも目立つ派手なルックスであり、
そのまま怪しいカメラ男に近づいた。

「やあ、いいカメラじゃないか。見せてくれない?」
「な、なんだよ?コイツ」
女性たちとの会話を中断されたカメラ男は、露骨にムッとした。
「誰?この人、カッコイイ!」
女性たちが、トニーの魅力的な容貌に釘づけになったので、
さらに面白くないカメラ男は、トニーの胸ぐらをつかんだ。

「顔貸せよ!」
「いいとも。ボクもキミに話があるのさ」


二人は遊太郎の視界から消えて男性トイレへ入った。
他の客は幸い誰もいない。

トニーは、カメラ男を奥の壁に追い詰めて詰問した。
「無断侵入の上に、地球でガールハントかい?」
「やっぱり貴様、調査員かっっ!!」
男が殴りかかろうとするのを、余裕でかわしたトニーは、
圧倒的な腕力を見せて男の首を締め上げた。

「キミのルックスで女を落とすなんて、100万年早いよ?」


~第71回をお楽しみに♪(^O^)/~
by yu-kawahara115 | 2008-06-29 11:52
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