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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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第32回接近遭遇「元カレ登場!」

~あなたのとなりに宇宙人が暮らしていたら?~

●森田遊太郎(23)・・・童顔のメガネ男子で天然系営業マン。
実は、銀河連盟より派遣された地球調査団メンバー。コードネームはレン。


●五十嵐桃子(26)・・・遊太郎の正体を知る、勝ち気で現実的なOL。彼氏いない暦3年。
宇宙人やスピリチュアル系には全く興味がないらしい。

この二人、表向きイトコ同士でルームシェアをしているのだが・・・?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「ピアスじゃなくて、発信機なの?これ」

桃子は、遊太郎からダイヤのピアスを貰って喜んだのもつかの間、
発信機と聞いて一気に興ざめした。

「なんで、あたしが発信機を付けなきゃいけないわけ?」
「桃子さん、チカンにあったりして物騒だから、
お守りがわりにと思ったんです」
「チカン~???だからって」
確かに帰り道に尾行されたりして危なかったけど。
「お~げさじゃん。こんなの」
「駄目・・・ですか?」
遊太郎の子犬のような目が懇願しているように思えて、
彼女はなんとなく戸惑った。

「そんな目で訴えないでよ?いじめてるみたいじゃない。
わかった、付けりゃあいいんでしょ?」
「本当ですか?ありがとうございます」
ぱっと遊太郎の頬が明るく紅潮する。
そんな様子を見て、やれやれとピアスをいじる桃子。
「ふうん。こんなので、あたしの居所がわかるんだ?」
「はい。遠くても大丈夫ですよ」
「へえ。B級ミステリーに出てきそう。
ま、見た目がダイヤだし、防犯グッズと思えば、いっか♪」

色々文句を言いながら、耳に付けてみる。
・・・動機がロマンチックじゃないけど仕方ない。
ちょうど髪がピアスを隠すので、近づかないと目立たない微細な光を放っていた。
「よかった」
遊太郎は満足したように微笑み、桃子もサンキューといちおう礼を口にした。


・・・たかがチカン防止に発信機を持ち出すところがズレてるけど、
まあ心配してくれてるってことだよね?
次回は、ペンダントとか指輪をプレゼントしてほしいなあ・・・

・・・などと妄想してしまい、桃子はあわてて打ち消した。


桃子がピアス型発信機を付けることを承諾したので、
遊太郎はそっと自分の部屋に入って目を閉じた。

発信機が桃子の波動を増幅し、より鮮明に伝わって来る。
これなら彼のスキャニング有効範囲である、半径500メートルを越えた場所でも大丈夫だろう。

もしゼルダ星人が桃子に近づいて来ても、すぐに跳べると思った。
位置が確定していれば、制約の多い地球でも空間移動が可能のはずだ。



「うん、悪くないかもね♪」
朝からの機嫌の悪さがどこ吹く風で、
桃子はピアスをした自分の満足そうな顔を鏡に映して喜んでいた。
そこへ携帯から着メロが賑やかに鳴り響く。


「・・・ん?大学の同窓会?」
突然、大学時代の友人からメールが回って来たようだ。
しかし同窓会案内のあとの追伸に少しピクッとなる。
そのメールの内容はこうだった。


『大学時代に付き合ってた一ノ宮クンとまだ続いてる?
桃子からメールしといてね♪』


「・・・一ノ宮」

それは、桃子が3年前に別れた男の名前だった。
別れたというより、卒業後はお互い別の会社に就職した為に、
会う回数が減り、自然消滅しただけの話なのだが。


・・・あたしからメールするの?

なんとなく憂鬱な気分で、携帯のメールフォルダを調べてみた。

一ノ宮 貴志。・・・まだ、残してる。

「メルアドなんて変わってるかもしれないし・・・」
自分に言い聞かせて事務的な同窓会メールを送信してみた。
・・・どうか、変わっていますように。


ところが、10分と経たないうちに返信が来てしまった。
「・・・マジ?」
ためらいながら、一ノ宮貴志からのメールを読む桃子。

『久しぶり!同窓会の前に一度会えないかな?
実は海外から戻ってきたところなんだよね。 貴志』


ふっと懐かしい思いが、さっきまでのためらいを消して、
桃子の胸がにわかに高鳴った。

~第33回をお楽しみに♪(^O^)/~
by yu-kawahara115 | 2008-04-09 21:29
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