excitemusic

ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
ICELANDia
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
メモ帳
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


第280回接近遭遇「探偵・時任晴彦、再登場」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

遊太郎の携帯電話が震え、桃子との話が一時中断された。
自販機の向こうで、話をしている遊太郎の背中を睨みつけながら、
桃子はイライラし始めた。

なんて呑気なんだろう?
私情に走る係長の高山が、
探偵を使って遊太郎の素性を調べようと企んでいるのだ。
平気でいられるはずがないのに。
もちろん普段の遊太郎と、
高山が目の敵にする遊太郎は見かけは別人であり、
同一人物だと知れる可能性は少ない。
しかし高山が調査を依頼している銀髪の男と、
遊太郎とが何らかの関係を持っていると思われたら、
ますます遊太郎は高山に目を付けられてしまう。

しばらくして用件が終わったらしい遊太郎が、
桃子のそばに戻って来た。
相変わらずぽややんとして、まるで危機感がない。
桃子は拳を作って、そんな彼の頬をポンと殴る真似をした。

「あたしがどんだけ心配してるかわかってる?」
すると、遊太郎は彼女の拳をふんわりとつかみながら、
はい、と柔らかく頷いた。

「いま、探偵事務所から電話がありました」
「はあ?」

桃子はこれ以上はないというくらい目を大きくして、
彼のネクタイをひっつかんだ。
「ど、どういうこと?もしかして、もうあんたの素性が探偵にバレて……」
「違いますよ、桃子さん」
遊太郎は苦笑しながら桃子の肩に手を置き、
彼女はネクタイから自分の手を離した。
「だって、探偵から呼び出しが来たってことは、
高山の奴が依頼した件の事と関係あるはずよね?」
「さあ、どうなんでしょう」
「どうなんでしょうって。意味わかんない。ちゃんと説明してよ」
「帰ったら説明しますよ」

桃子の焦りをよそに、遊太郎は腕時計をチラッと見た。
今すぐ真相を知りたい桃子は口をパクパクさせたが、
遊太郎はにっこりとスルーして、営業部フロアへ向かって歩き出し、
彼女は奇妙な表情で、のんびりした後ろ姿を見送った。

「ナンなのよっ。遊太郎の馬鹿!」



その夕刻。
仕事を早めに終わらせた遊太郎は、ある雑居ビルの前を訪れていた。
最寄り駅から奥まった場所にあり、ひと気もまばらで、
流行っているとは言い難い探偵事務所は、
二階にひっそりと存在していた。

遊太郎が静かにドアをノックをすると、すぐに中年の男が現れた。
まだ若さを残した愛嬌と渋さを同時に持ち合わせた男である。

「やあ。いらっしゃい。森田遊太郎くん」
「お久しぶりです。時任さん」

昼間に遊太郎に電話をかけて来た探偵とはいうのは、
以前事件絡みで知り合った時任晴彦、その人だった。
時任晴彦は、どうぞと言って狭い事務所の中へ遊太郎を通し、
地味な来客用の椅子に座らせた。

「コーヒーでいいかな。インスタントだけど。
あ、遊太郎くんはコーヒーだめだっけ?」
「頂きます。飲めるようになりましたから」
「そう?良かった。1年以上暮らすと、地球人らしくなるか」

そんな冗談を言いながら、
時任晴彦はコーヒーを遊太郎の前に置き、
早速本題だと話し始めた。

「いやあ、ビックリしたね。
調査の依頼が高山って男から舞い込んで来たときは」
「まさか、時任さんの事務所に依頼していたとは思いませんでした」
「まあ、よその探偵じゃ、絶対君の素性はわからないさ」

係長の高山が雇った探偵が、
偶然にも遊太郎の知人の時任晴彦だったのだ。
遊太郎が異星人だとわかっている時任は、
高山から依頼されて、すぐに遊太郎へ連絡をしてくれたのである。

「で、どうする?なんなら、適当に調査結果出して終わりにするけど。
一応、クライアントだから丁重にね」
時任晴彦がニヤリとしてタバコをふかした。
彼も実はシーマ種族という、
遊太郎よりは地球に永く住み着いている異星人だ。

遊太郎は適当に作られたニセの調査結果を眺め、
どうすれば高山を納得させられるだろうと考えた。


〜第281回をお楽しみに♪〜
[PR]
by yu-kawahara115 | 2010-09-19 14:46
<< 第281回接近遭遇「銀髪男の素... 第279回接近遭遇「桃子、怒り... >>