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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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第279回接近遭遇「桃子、怒りが爆発する」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜
★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

その日の夕方、桃子は怒り狂っていた。
社員もまばらになった営業一課のフロアで、
宮本清美がミルクコーヒーが入った紙コップを持って来て、
昼間聞いた話を桃子にバラしたからだ。

「高山係長、桃子の彼氏のこと調べてるって。
探偵事務所に依頼したんだって」
「な……」
開いた口がふさがらず、パクパクさせていると、
清美は、ありえないよねえと明らかに面白がりながら続けた。
「森田クン、優しいから桃子には黙っていてくださいって言ってたけど。
なんかさあ、高山係長って、なんでもやり過ぎるから心配じゃん」
「知らせてくれてありがと。清美」

ミルクコーヒーをごくんと飲み干し、紙コップを握りつぶした桃子に、
清美にギョッとされたが構わず立ち上がり、
高山に文句を言うために広い営業部内を歩き始めた。
「ちょ、ちょっと桃子?」
慌てて追いかけようとした清美は、桃子が怒りに燃えた怖い顔つきで、
かなり速いスピードで探し回るのに追いつけなくなった。


許せない。何なの、あの男!
絶対に高山を捕まえて糾弾し、止めさせなければ。
相手が雲の上の社長でも、許してはおけないと柳眉を逆立てる。
遊太郎の、というより本当の彼の事を探偵を雇って調べようとは、
プライバシー侵害を通り越して、人間として軽蔑してしまう。


社内各フロアを探し回りながら、
桃子は夏の終わりに、海で高山に迫られたことを思い出していた。
あのとき遊太郎はレンの姿で高山を殴った。
殴られて当然の事をしでかしておきながら、
高山は逆恨みをしているわけで、厄介この上なかった。

どこを探しても高山の姿はない。
スケジュールボードには、高山の外出先は書かれていないし、
どこかに隠れている事に違いないのだが。

「桃子さん?どうしたんですか」

諦めかけて給湯室の近くまで来たとき、
ふんわりした声がして、桃子は振り向いた。
自販機でミネラルウォーターを買ったばかりの遊太郎が立っている。
髪を振り乱した桃子を見咎め、少し怪訝そうな表情だ。

「遊太郎。高山係長、どこに行ったか知らない?」
つい怒ったように詰問すると、
彼はああ、とにっこりした。
「合コンで知り合った女性とランチを取ると言って出かけました。
行き先を適当に書いておいてくれと頼まれたのに、
僕、うっかり忘れてしまって」
「はあ?」

遊太郎ののんびりした説明に、桃子は思いきり脱力した。
探しても見つからないはずだ。
無駄に時間とエネルギーを使い果たした気がして、
桃子は給湯室になだれ込み、水を汲んで飲み干した。
遊太郎が心配そうにミネラルウォーターを差し出す。

「良かったら、これを飲んでください。まだ開けていませんから」
「……」

桃子は黙って遊太郎からミネラルウォーターを受け取り、
礼も言わずに飲み出した。
半分近く飲んだあと、ボトルを給湯室の棚にドンと置いて、
遊太郎の相変わらずぽややんとした顔を睨みつける。

「遊太郎は、悠長ねえ」
「はい?」
「高山があんたのこと、探偵使って調べてるっていうのに」

遊太郎は、まん丸メガネの奥の子犬のような目をちょっと見開き、
知ってたんですかと苦笑いした。

「大丈夫ですよ。桃子さんが心配しなくても」
「大丈夫じゃないわよ。
探偵っていうのはね、あんたのこと24時間つけ回して、
隠し撮りも聞き込みもしまくるんだよ?」

脱力していたが、怒りを再燃させる桃子に、
遊太郎は戸惑った。
やはり、桃子にまた要らぬ心配をかけさせているからだ。
そこへ、遊太郎の携帯が震えた。
ディスプレイには見知らぬ電話番号が光っていた。


〜第280回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-09-12 11:47
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