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ようこそ、川原 祐です♪
by yu-kawahara115
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第278回接近遭遇「高山係長のたくらみ再び」

〜もし、あなたの彼氏が宇宙人だったら?〜

★森田遊太郎(23)=レン・ソリュート★
地球に派遣された銀河連盟調査員。
普段は高校生のような童顔にまん丸メガネ。
おっとりした新人営業マンだが、
その正体は、プラチナの髪と青灰色の瞳を持つ美しき異星人である。

★五十嵐桃子(26)★
遊太郎の正体を知る、同じ会社の勝ち気で現実的なOL。
宇宙人やUFOには全く興味がない男前な女性。

この2人、表向きイトコ同士としてルームシェアをしているのだが.....?

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「なンだよ。今月も数字、ぜんぜん伸びねーじゃん?
やる気あんのか。ええ?森田ぁ」

再び始まった一週間。
営業一課では、係長の高山が相変わらず毒舌を吐き、
遊太郎は神妙な顔で黙って聞いていた。
下手に弁解すると執拗に突っ込んで来るし、
かといってあまり無表情では、
バカにしてるのかと噛み付くに決まっている。

「お前、営業に向いてないワ」
突き放したように言い、高山はタバコを灰皿に押し付け、
デスクから立ち上がった。
携帯電話をいじりながら、知り合ったばかりの女たちのアドレス帳を眺める。

「営業数字は変わりばえしねえ下降線。
酒に弱いし口下手だから接待もつまんねえ。
オレさまと違って外見もイケてねえから女にもモテねえ。
サイアクなメガネ野郎だぜ」

言いたい放題で気が済んだのか、ところで、と遊太郎に向き直る。
「斉藤課長には、お前のやる気なさを報告するの止めといてやるから、
お前、こいつ頼まれてくんないかな?」
内ポケットからコンサートチケットを取り出す。
かなり高そうなクラシック音楽のS席だ。
「適当に言って渡してくれ」
「え?誰にですか?」
キョトンと訊き返す遊太郎の頭をクシャクシャにして、
高山はバカとほざいた。
「五十嵐桃子に決まってんだろ。てめえのイトコ」
「はあ」
「普通にオレが渡しても断るだろうからさ、
お前に頼んでんじゃねえか」
「それは、ちょっと……」

高山の意図に遊太郎はようやく気づいて、
チケットを押し返した。
高山は、桃子を遊太郎をダシにうまく誘って、
当日いきなり高山自身が彼女の前に現れるベタな作戦でいたらしい。
遊太郎に断られて高山が鼻を鳴らした。

「んだよ。マジ、使えねえ奴だな」
高山はチケットをポケットにおさめたが、
意外に落胆した様子はなく、
二枚目面を意地悪く歪ませる。

「まあ。クラシックなんざハナから興味ないしな。
それよか面白いこと進めてんだぜ。聞きたいか?」
「面白いこと……」

この男は一体何を考えているのだろう?
いつも桃子に相手にされないので、
ついに強行手段に出ようとしているのか。

「高山係長、何を考えてるんですか」
「ほら、あいつ。五十嵐の男を調べてるんだよ」

あの銀髪野郎、と憎々しげに囁く。
以前海で桃子に迫った際、殴られた恨みを高山は忘れてはいないようだった。
去年の春先に盗撮した写真をまだ携帯のフォルダに残していたのだ。

「こないだ探偵事務所に依頼しといたんだよ。
あいつ、絶対ヤバい野郎だぜ?
たたけば色々ホコリが出るんじゃねえかと睨んでる。
あ、五十嵐には言うなよ?チクったらボコボコだぞ」

楽しげに脅して、高山は盛んにメールを打ちながら、
フロアから出て行った。
眉をわずかにひそめた遊太郎の横に宮本清美がするりと近寄って、
ねえねえと訊いて来た。
清美は桃子と仲の良い同僚だ。

「高山係長、いまヘンな事言ってなかった?
ほら、探偵事務所とかに依頼したって」
「さあ」
さりげなく流そうとするが、
清美はクルクルとよく動く目を遊太郎に向けて囁いた。

「いくら桃子の彼氏が憎いからって、そこまでする?
あれ、相当プライドへし折られた事とかあったんじゃないかな」
「……」

遊太郎が素顔であるレンの姿で高山を殴った一件は、
桃子以外の誰にも知られていない。

「宮本さん」
「ん?」
「いまの話、五十嵐さんには言わないでもらえませんか?
心配してしまうかと思うので」
「そ?森田くん、優しいね」

清美はヒラヒラと手を振って席を移動した。

探偵事務所。
そんなものに動かれたところで、
遊太郎の正体がバレる可能性は皆無だが、
桃子に要らぬ懸念をかけることになるのは本意ではなく、
遊太郎は厄介だなと、ため息をついた。


〜第279回をお楽しみに♪〜
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by yu-kawahara115 | 2010-09-04 21:48
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